日常

禁煙をしている。

禁煙をしている。半年強経つが「禁煙した」と過去系ではまだ書けない。「煙草をやめた」とももちろん言えない。「禁煙」は現在進行形の状態なので、現在は喫煙者と非喫煙者の間を不安定に漂っているような状態なのだと思う。禁煙を始めたのには一応理由があ…

今年は「夏の終わり」と呼べるような期間がないままに夏が行ってしまった。自分の中での「夏」は八月一杯で終わりだ。それ以降の、夏が少しづつグラデーションを描きながら秋に変わっていく微妙な期間(秋彼岸が終わるまで辺りだろうか)を、夏でもなく秋でも…

ブレーキは効かない。

帰り道の車内、時刻はまもなく19時になろうかというところだった。ずいぶんと日が長くなったけれど、さすがに19時ともなれば辺りはもう暗い。ランダム再生に設定しているオーディオからはBjorkのVespertineの何曲目かが流れている。少し向こうの信号が黄色に…

6月28日、雨。

今日の雨はじつに梅雨らしい雨だ。「しとしと」という擬音をあてるなら今日のような雨だろう。長い間ゆっくりと淡々と降り続き、静かに、けれどもしっかりと、満遍なく世界を濡らすような、そんな雨だ。 梅雨らしい雨、と評した今日の雨だけれど、事実として…

知らない。

ここ2週間の間に、2人の人が亡くなった。1人は友人の、もう1人は幼なじみの父だ。今日、その友人の父の通夜があった。 友人を、単純に「友人」と呼んでいいのかは難しい。父同士が仕事の関係で親交があり、幼い頃には家族ぐるみの付き合いがあった。一緒に旅…

画像の中の「海へと続く坂道」に行ってきた

毎年、夏が近づくと「夏を感じる画像貼ってけ」というようなスレが2chに立ち(まあ夏でなくとも見られたりはするが)、もう散々貼り尽くされたような「夏を感じる画像」が貼られ、まとめられ、記憶の中にしか存在しない夏の景色に大人たちが悶絶するという様…

四月十日

空は淡い水色で、薄ぼんやりとした雲が浮かんでいる。中学校の校舎をバックに、昼下がりの少しだけ赤くなった陽の中を桜の花びらが風と踊っていた。 ふと見やった窓の外に広がる景色が綺麗で、読んでいた小説を机に置いた。ほとんどそれと同時だったと思う。…

10月21日、雨、東京駅、川上未映子。

10月21日。東京は丸の内にある丸善丸の内本店で、川上未映子さんのサイン会があった。新刊の「すべての真夜中の恋人たち」の発表を記念した催しだ。川上さんのブログを読んでサイン会があることを知り、電話予約ができるとのことだったので新刊の予約ついで…

「夏」の影を追いかけている

昼休みは適当に勤務先付近をぶらぶらと散歩することにした。理由は、空が夏の空だった、という聞く人にとっては理由にもならないような理由だった。 冷房の効いたビルから外に一歩出ると、思ったよりも外は暑かった。夏は言うまでもなく「暑い」ものだが、そ…

軍曹とおっさんは机の脚に小指ぶつけて悶絶したらいいと思う。

結構前の帰り道での話。 帰りの電車で完全に眠りこけてしまった。目を覚ますと、そこは乗換駅から四つも過ぎた駅だった。通勤通学に電車を利用する人なら『寝ていた人が目を覚ますなり首を左右にふりふり駅名を探し、慌てて電車を降りる姿』を見たことがある…

傘の不完全性について

朝、ベランダに出ると外は予報通りの雨だった。室外機に腰かけて煙草に火をつける。こうして眺めている分には雨も風情があっていいけれど、出勤のことを考えると億劫でしかない。こんな日には、会社など行かず部屋で本を読んだり、映画を見たり、惰眠をむさ…

物語の結末は

一昨年の初夏に、こんな日記を書いた。 ―――――――――――――――― 出勤時、相当な寝坊をしない限り、同じ時間、同じ車両の電車に乗ることにしている。同じ時間、同じ車両に乗る人達というのは他にも当然いて、そういう人達とは、定期的に顔を合わせることになる。 曜…

机上の文通

こないだふと思い出した高校時代の(ところどころ曖昧な)記憶について。別に盛り上がりも落ちもない。おセンチな気持ちになってしまったから書く。 あれは確か、高校1年の1学期の後半、期末試験の終わった7月の終わりのことだった。 自分の通っていた都内の公…

そして今も途方に暮れている

つい一ヶ月ほど前、ある研修に参加した。入社して一定時間が経過した社員たちを一堂に集めて、「今までを振り返り、今後の身の振り方を考えましょう」というような研修だった。 当然、そこには「同期」と呼ばれる人間たちが数多くいたのだが、グループ全社併…

散歩の効能

去年の12月にかいたもの。 - 余り気分が優れなかった。 明日間違いなく残業で終電近くまで帰れないことが解っている今、ただでさえ休み終わり日曜の夜の気分がいいわけがなかった(何より面倒臭いのは残業ではなくその残業の内容なのだが)。休みがあるだけま…

幸せは春の夜の夢のように

4月の頭の方に書いたもの。 火曜日(4/6)、仕事帰りに車で映画を見にいった。見た映画は『ソラニン』。浅野いにおの同名漫画を映画化したものだ。彼女が見たいというので、レイトショーを見に行った。 (ソラニン公式サイト:http://solanin-movie.jp/) 以前(多…