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アイドルマスター特別編(26話)見た。

映像

 放送された特別編見た後に勢いで感想を書いたのだけど、一応Blu-Rayで見てから加筆してあげようと思っておいといたもの。作品についての感想と言うより、自分語りです。あと、アニメアイドルマスター特別編見てることを前提に書いています。ネタバレとかはあるようなもんじゃないけど一応。


 最後、流星群を見るシーン「みんなとの……」が流れてきた瞬間、目頭が熱くなった。しにたいの極み。そのシーン冒頭に、亜美が言うんだよ。「こうやって、みんなの思い出が増えていくのって、なんか楽しいよね」って。この言葉に、どうしようもなく悲しくなってしまった。その通りなんだ。時間はどうしようもなく流れていってしまうから、思い出が増えることを喜ぶべきなんだ。沢山の楽しい思い出を残すこと、沢山の楽しい思い出になる、そんな今を過ごすこと。それが建設的な態度というものだろう。けれど、それはとても難しい。思い出になってしまうことが、どうしたって悲しい。だってこれは物語なんだ。今この瞬間にも、物語は過去になっていく。思い出になっていく。けれど、物語は終わってしまった。それじゃあ思い出はもう、増えないじゃないか。

 どうして物語は終わってしまうのだろう。まったく意味のない問いかけだ。けれど、それでも問いかけたくなってしまう。それは疑問の形を借りた、叶うことのない願いの発露だからだ。終わって欲しくないという、願い。もっと見たかった。もっと動く沢山の彼女たちを見たかった。そう思わせてくれる、素晴らしい作品だった。彼女たちが織りなす物語に、彼女たちの言葉や仕草や歌に、大袈裟ではなく助けられたという感覚があるよ。彼女たちは「アイドル」だ。もし現実の世界で同じこと言われたら「はあ???」って思うかも知れないような言葉でも、彼女たちが言うから受け入れられる言葉、響く言葉っていうのがあって、そういう言葉に救われていた。彼女たちは自分にとって、文字通り「アイドル」だったのだと思う(いや、今もそうだ)。

 コンテンツとしてのアイドルマスターはまだまだ終わりはしないだろうし、そういう意味ではこれからもアイドルマスターは続いていくのだろう。楽しい思い出はきっとこれからだって増えていくはずだ。けれど、アニマスはこれで一つ区切りだ。アニメからアイドルマスターに触れ始めた自分にとって、アニマスは始まりだった。だから、やっぱりそれが終わってしまうことに、悲しさというか、虚しさというかは、あるよ。

(この後ゲームが三本同時に発売されて、それぞれに新しいアニメが収録されるという鬼畜のような発表があることを、これを書いている当時の自分は知らない)

 『心動かす物語の終わりは、いつも喪失感を感じる。きっと自分の日常に寄り添っていたものが、急にそこで途絶えるからなのだろう。だからそれはそのままやはり「喪失感」で正しいのだと思う』と、見終わった直後の自分が書いていたのだけれど、少し時間が経って冷静になってみると、「失う」というよりも「置いていかれる」という表現のほうが的確なような気がした。例えばそれは、天空の城ラピュタのエンディング、皆を残してどこまでも昇っていくラピュタの映像に凝縮されている(制作者の意図がそうであったかは知らない)。「終わり」を観測するというのは、そのままその終わった対象に「置いていかれる」ということなのかもしれない。だから、終わりの景色はいつだって孤独で、悲しい。そこに一人取り残されてしまったような、そんな気持ちになってしまう。

 どうして毎度毎度、終わりがあることを分かっているのに、こうして繰り返してしまうのだろうね。すぐに忘れてしまうよ。終わりがあること。無意識に、この瞬間が続くことを無邪気に信じてしまっている。そうでなくてはこのダメージはおかしい。終わりに伴う諸感情を知っている。にもかかわらず、終わりが来ることを恐れながらも、来たる終わりに正面からぶつかりにいっている。それも全身全霊全力で。物語に粉骨砕身だよ。それは違う。

 特別編のエンディングは「my song」だった。エンディングテーマとしてこれほどまでに素晴らしい選曲もあるまい。『喜びだって 悲しみだって いつかは思い出になるから』と彼女たちが歌ったように、いつか自分の中でこの作品も「思い出」になってしまうのだろう。何年か経った後、この文章を読んで、ああ、こんなこともあったな、と懐かしく思い出すのかもしれない。今までもそうだったし、きっとこれからもそうだ。だから、やはり冒頭の亜美の言葉に首肯しなければならない。物語は終わった。だから、もう思い出は増えないだろう。それは確かに悲しいことだ。けれども、この作品を見たという思い出は間違いなく増える。そしてそれはきっと、悲しい記憶ではないはずだ。

 とはいえ、やっぱり、寂しいねえ。