男性に生理の時のイライラを許してほしいと思う女性の方へ

 今日ねっとをぶらぶら徘徊していたら、togetterでこんなん見かけた。

『性に対する男女の意識差』
http://togetter.com/li/50787

 読むのだるい人の為に超簡略化してまとめると、『女性は生理の時にすげえイライラしたり不安定になるけど男性には性欲があるよ。女性にもあるけどそれは形が違うよ』というようなもの。まあそれ自体は結構どうでもよくて、気になったのはその中の二つのツイートだった。以下引用。

だから男子は女子に八つ当たりされても優しくすべきだと思います。八つ当たり対応の為に、男子はそういうバランス崩れがないのです。えぇ、きっと!

それに対する返信。

で す よ ね !メンタルも体調もガタガタな時は八つ当たりしても大目に見てもらいたい^ρ^

 今日はこれみて思ったことがあるので書いてみる。タイトルみたいに少しでも思う人に対して書くけど、別に男女の括りなく思うことでもある。あと人によっては「当たり前」と思うようなことしか書いてない。あと、勘違いされると困るので先に断わっておくと、別に上のツイートに対する批判とかじゃないし、この発言をした個人がどうこうとかではない。あと基本的に上のツイートは半分冗談だと思ってるし、もう半分は「大目に見て欲しい」一点だと思ってる。

 長いので先に結論だけ。「説明をしよう」。

 以下そのたった一言の補足説明。



 自分は「偏頭痛もち」だ。雨の日とかしょっちゅう痛くなる。たぶん遺伝。現在の彼女と付き合いだした当初、頭痛であってもそれを彼女に言わなかった。なぜなら心配させるのが嫌だったからだ。『折角遊びに行ってるのに頭痛とか言われたら楽しくないだろうなー』とかそういうこと考えてたと思う。でも頭痛は結構しんどい。薬効いてくるまで「普段通り」に出来ない。例えば反応が鈍くなる、表情が険しくなる。だけど、俺はそれが「なぜか」という理由を話さないので、彼女には「つまらない」とか「不機嫌」なように見えてしまう。結局、それで彼女に逆にいらん心配をかけてしまってた。それに気づいたのは、確か彼女が上の話を俺にしてくれたからだったと思う。「だから、頭痛の時は言ってほしい」と言われてハッとした。確かにそうだよなーと思って。それから、頭痛の時はちゃんと言うようにした。頭痛いです。と。

 そうして、しばらくすると、彼女は俺の様子を見て「頭痛?」と尋ねるようになった。どうやら頭痛の際にする仕草とか表情があるらしい。それは別に彼女は俺の「偏頭痛の辛さ」が解るようになった訳ではないと思う(彼女は頭痛に滅多にならないので)。でも彼女は、「この見た目の割に貧弱な男は、時にそういう状態になることがあり、雨の日とかなんかはその割合が高い」そして「そういうときこの男は不機嫌だったりつまらなそうに見えるがそういう訳ではない」みたいなことを知識として持ってくれた。だから、つまんなそうでも、期限悪そうな顔に見えてもも「頭痛なんだ」って言えば「そっか、大丈夫?」てなってくれるし、俺も我慢しなくていいので凄い楽になった。これって説明と理解の積み重ねだな、と思う。「私はこういう状態です」っていう表明とそれを受容することの積み重ね。「俺にとって当たり前」でも「彼女にとっては未知」ってことは沢山ある。それを埋めるにはやっぱりこうやって少しづつ積み重ねるしかない。それは別に頭痛に限らずそうだ。

 それで、やっと本題。

 だから、生理もこれと基本的には同じなんじゃなかろうか。そりゃ生理と頭痛じゃモノが全然違う。でも、説明の重要性って意味だと別にそれは症状関係ない気がする。「偏頭痛持ち」っていうのがそうじゃない人に理解されづらいように、「月経」という現象について男性はどうしたって理解しづらい。男性にはそれが絶対的に「無い」から。少なくとも、子宮という器官をもたない自分にはそれで気分が変化することを想像することが難しい。だから、女性(それは別に恋人に限らず、クラスの人、同僚、上司、誰でもいい)がそれを理由に不機嫌になっていても、怒りやすくなっていても、それが原因なのだと言うことに思い当たりづらい(ないし、知ってはいてもつい忘れてしまう)。それって人間の間にあるちょっとした壁みたいなものの一つだ。一度越えてしまえば、次越えるのは容易だけど、越えるまでは越えるのが結構難しい。でももしそんなとき、女性から一言あったら、たぶんその壁を超えるのが楽になるかもしれない。例えば「今生理前で凄いイライラしやすいんだ。ごめん」とか。別にそれは事後でもいい。「生理前で凄く気分が悪かった。ごめん」とか。そのたった一言があったら、たぶん「イライラしやすい」とか「不安定で悲しくなる」とか、そういうことに対しての許容度はぐっと高まると思うし、そうなのかも、って思い至る確率はきっとぐっと上昇する。

 「理由が分からない」というのは人間を不安にさせるなあって思う。人間はどうでもいいものにもいちいち意図や理由やらを見つけたがる生き物なので、「理由を付けられない」まあつまり「理解できない」ものを恐怖する。だから、理由が分からないことに対してイライラしたり不安になったりする。逆に、理由が分かれば安心して、すこし余裕が出来る。だからもし、目の前の男性に「イライラを許してほしい」と願うなら、一言、事前事後関わらず説明があったらいいなあ、と一人の男性である俺は思います。きっとその積み重ねが少しづつ理解に繋がっていくと思うので。そうしたら、もしかしたら今よりも少しだけ、男性はその女性に優しく寛容になれるかもしれない。他の男性は知らんけど、多分他の男性にも当てはまる部分はあると思う。

 ただまあ、口で言うのは簡単だけど難しいことだとも思う。そもそもこれは聴き手側の人間が、『もしそういうことを女性が言ってくれたら出来る範囲でそれを理解しようとする』ことを前提にしている。どんなに女性がそれを説明してくれても、「どうせ生理とか免罪符だろ」みたいな考え方だと一生溝が埋まらん。そして、そういう考えの人もいる。そういう壁は結構強固で乗り越えるのは難しい。あと、今まで女性と話をしてきて「生理なんだー」とあっけらかんに言う女性もいれば、「生理ってことを人に言うのは恥ずかしい」という人もいたから、人によってその辺の難易度も違うだろうし。

 でも、そうだったらいいなあ、とは思うからそう言う。それに、これは月経とか男女に限らず言えることでもあると思うしね。言葉にしないでも伝わるものもあるけど、やっぱり言葉にしないと伝わらないことは沢山あると思う。なんでも言葉にするのはそれはそれで無粋なのかもしらんけどね。

 とまあ、こんな風に思いました。終わり。